2006年10月18日

EBMの功罪

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今日の午前中、8日に受診した泌尿器科に検査結果を受け取りに行ってきました。

で、その検査結果と菓子折り(鳩サブレーです)を持ってセカンドオピニオンでお世話になった広本先生の元へ。
先生は検査結果について詳しく説明して下さいました。

ちなみに先週水曜日に広本先生に処方してもらったクラビット(抗菌剤)が効いたらしく、睾丸の痛みの方もほぼ消失(まだ多少の違和感はありますが)しました。

悪性腫瘍(精巣癌)に関しては昨日御報告した通り、陰性です。
クラミジアももちろん陰性。

尿からは菌が検出されておりまして、これが腸内細菌なのですが、クラビットが有効な菌だそうです。
まさにドンピシャ。
診断名は精巣上体炎だそうです。

それにしても今回の一連の騒動?の発端は去る8日に受診した1軒目の泌尿器科でありました。
このクリニック、 「主観的経験や伝聞に基づく医療(漢方など)を排除し、米国型の証明医療(EBM : Evidence Based Medicine)を実践しています。不愉快な検査は極力行いません。」
、、、ということが売り。

ちなみに、ここを受診した時に受けた問診は、、、
「睾丸痛が1回だけなのかそうでないのか、それはいつ頃からか、、、」
それだけ。
視診、触診は一切無し。

で、、、
「悪性腫瘍の初発症状の疑いあり、稀にクラミジア感染の可能性もあり」
それで血液検査と尿検査です。
その他の説明は無し。
オイラ、これで不安が増幅してしまったわけです。

「精巣癌?、、、だとしたらタチの悪い癌じゃん、、、まずいな」、、、って思いました。

今日、検査結果が出てハッキリしたことですが、精巣癌の腫瘍マーカーの検査をしていたので、やはりその医師は精巣癌を疑っておられたということになります。
この精巣癌という癌は進行が非常に早く、転移もしやすい癌です。
きっと「見落としたら取り返しのつかないものを先ず調べる」という事なのだと思います。

クラミジアは他のヒトに感染させる可能性がありますから、これも結構シャレにならない、、、
患者本人が「不特定多数との性交渉なんて有り得ない」と言っても実際は性交渉をしていることはよくあるそうですから、、、。

そして、その他の可能性のある泌尿器系の病気は経過観察ということで、様子を見ていても特に大事には至らない、、、ということなのでしょう。

たしかに、この手法は医学的にも理にかなっていて間違いではないようです。

説明がなかったのも、言い方を変えれば「余計なことは言わない」となるのかもしれません。
検査結果が客観的数値として出るまでは主観的経験的診断はしない、、、ということでしょう。

視診、触診が一切なかったのも「不愉快な検査は極力行わない」ということと、視診触診からの「主観的な診断や経験則による判断を排除する」という米国型医療の実践なのでしょう。

検査結果が出る前に「これは精巣上体炎でしょう」と主観的経験で喋ってしまって、もし悪性だったら「あのとき悪性じゃないと言ったじゃないか」とクレームをつける患者がいるかもしれないから、「クレーム対策」といった側面もあるでしょう。
医療訴訟が当たり前の米国的な考え方です。

しかし、、、しか〜し、、、

開口一番「悪性腫瘍の疑い」と言われて、他の説明は「稀にクラミジアの可能性」だけ。
しかも結果が判るのは10日後、、、
その間の患者の気持ちはどうでしょう?。

自分の睾丸なんて普段から注意深く触っているわけじゃないから、急に気にして触って調べたところで硬さもしこりもよくわからないですから。
やはり、今までそれはそれは沢山の睾丸を触ってきたであろう「経験豊富な専門医」に実際に触ってもらってその経験に基づいた見解や予測を知りたいのです。

肛門から指を入れて直腸内から前立腺を触診する方法、、、
「前立腺にも問題はないでしょう、、、」これなど完全に経験則ですが、熟練した専門医なら80%の確度で診断可能だそうです。
80%というのは高確率なのか?、それとも20%もの確率で誤診があるとみるのか?。
米国型医療では後者なのでしょうね。

思うんですけど、、、主観的経験則、大いに結構じゃないですか。
今回のクラビットの処方なんて典型的な経験則です。
それでもし検査結果が悪かったとしても「先生、あの時はこう言ったじゃないか」なんて僕は言いませんって、、、。

下半身の視診や触診にしたって、恥ずかしいと言えば恥ずかしいけど、「悪性腫瘍の疑い」とだけ言われて帰された後の心の重圧にくらべれば屁でもないですわ。
不愉快でも何でもないです。

誤解のないように言っておきますが、僕はEBMを否定しているのではありません。
全ての医療において、EBMが尊重されるべきであることに異論は全くありません。
主観的経験「だけ」で診断をすることは危険、、、全くもってその通りです。
そして経験の少ない臨床医にとってEBMは本当に有難いものだということも理解しています。

しかし、EBMに偏重するあまり経験則を一切排除する、というのはどうかと思うのです。
医師が一言「これは私個人の経験による見解ですが、、、」と付け加えれば良いではないですか。
そして「可能性は低いと思いますが、念のため悪性腫瘍の検査もしておきましょう、、、」
これで良いではないですか。

論文に無ければ非科学的という考え方、、、これはいかにもアメリカ的発想です。
「論文に基づいて診断した」のであれば、訴訟を起こされた時にも盤石でしょう。
逆にEBMに基づいてないことを少しでも喋ると訴訟の時に不利、、、。
嗚呼、まさに米国の毒。

米国の後追いで、日本もこれから医療訴訟が増えるでしょう。
医師は自分の経験に基づいた説明をすればするほど訴訟で不利になる、、、
なんだかなぁ、、、日本の医療がどんどん冷淡になっていく。

医師と患者が膝と膝をつき合わせて会話を交わす、、、日本にはこれが必要だと思うんだけど。
EBMもいいけど10日間も不安に苛まれて暮らす患者の気持ちも考えてよ、、、。

いずれにせよ、今回のことで広本先生には本当にお世話になりました。

また、多くの皆様から祝メールをいただきました。
本当にありがとうございました。

そして皆様には心配をおかけして本当にすみませんでした。

投稿者 mogi : 09:37 | コメント (0)

2006年10月17日

取り急ぎ御報告

今日の午前中、10日前の検査の結果が出ました。
一応、精巣の悪性腫瘍に関しては陰性でした。

多くの方に御心配をいただきました。
励ましのメールも多数いただきました。
本当にありがとうございました。

取り急ぎ御報告、でした。

投稿者 mogi : 13:58 | コメント (0)

2006年10月16日

あれから9日

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またまた今日も快晴です。

明日、検査結果が出ます。

先週の水曜のセカンドオピニオン以来、気分的には随分と落ち着いているはずなのですが、やはり少し気になります。
はやくスッキリしたいですね。

で、近いうちに整理して書こうと思いますが、、、

EBM偏重主義というか、経験則排除主義というか、、、
米国型医療を単に模倣するというのは、決して患者のためにならない(少なくともこの日本ではそうです)。
今回のことで学びました。

投稿者 mogi : 09:21 | コメント (0)

2006年10月15日

父子の日曜日

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薬に頼らずとも今朝の目覚めは快調でした。
ヨシヨシ、、、。

父子2人きりの生活も4日目。

今日は午前中からセガレと2人でサイクリング。
サイクリング道路の終点のチョイ先、柳島の馬入川河口まで行きました。

天気はまぁまぁ、、、
先週1週間が異様に好天続きだったので、それと比較すると見劣りがします。

帰りしなに辻堂海浜公園に寄ると、海浜公園祭りなるイベントをやっておりました。
そこで一通りの遊びを楽しんで、さて昼メシでも食いに行こうか、、、と思ったら、、、

セガレが自転車の鍵を紛失したことが判明。
あちこち捜すも見つからず、、、

諦めかけて一縷の望みをかけて公園事務所に問い合わせると、、、
善意ある誰かが拾って届けてくれていました。

本当に感謝、感謝、、、です。

そんなこんなで昼メシにありついたのは3時過ぎになってしまいました。

約20キロほど自転車こぎましたから、、、
色気を出して頼んだグラスビールがマジで美味しいです。

そういや、水木金土と断酒しておりました。
美味しいわけだ。

ビールはグラス1杯に留め、ワインもグラス1杯だけ飲みました。

それにしてもここのハンバーグって結構美味いんです。
別にここでしか食べられない、という程のものではないのですが、昔はこれくらいのハンバーグを食おうと思ったら、しかるべきところへ行かねばならなかったもの。
この値段で食べれるというのは良いですな。

ちなみに睾丸痛ですが、昨日と比べると同程度か少し良いような気がします。
少なくとも後戻りはしていない、、、よしよし。

投稿者 mogi : 14:02 | コメント (0)

2006年10月14日

精神安定剤

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昨夜は10時頃布団に入りました。
で、目が覚めたら1時過ぎ、、、。

おいおい、またまた睡眠障害かよ、、、
昨夜は眠れなかったから寝不足のはずなのに、、、
と思っていたら、、、目が覚めた原因が分かりました。

胃痛、です。
いてててて、、、、、
たしかにな〜、神経性胃炎になっても無理ないか。

胃痛の方は1時間くらいで緩解、、、。
しかし、胃痛のおかげで完全に目が冴えてしまいました。
また眠れないよ、、、

なんか、このままだと睾丸痛はもとより、胃の方がヤバい事になってもシャレにならんので、、、

で、生まれてから42年目にして初めて精神安定剤なるものを服用したのですが、、、
これがすっげぇ効力!。

うわ〜滅茶滅茶効くじゃないですか!!
ほどなく意識がなくなり、爆睡。
朝、目が覚めた時には凄い充足感です。

こりゃ、常用するヒトがいるわけだ。

、、、今日も秋晴れ。
それにしても、ホント、良い天気が続きます。

セカンドオピニオンの泌尿器科の先生に処方してもらった抗菌剤が効いたのか、服薬3日目にして睾丸の痛みが少しづつ緩解してきたような気が、、、。

このまま収束してくれるといいなぁ。

投稿者 mogi : 19:13 | コメント (0)

2006年10月13日

またまた今日も良い天気

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昨夜11時に布団に入って目が覚めたのが2時、、、
で、また眠れなくなって、、、朝を迎えちゃいました。

精神的には随分落ち着いてきたはずなのに。
弱っちいオイラ、、、情けなかぁ〜。

普段ならエッチなことでも考えて気を紛らわすんですが、
さすがに今回はそういう気になれませんワ。

でも、一昨日以来、患者さんへの説明の大切さを痛感しましたので、、、
昨日、今日となるべく声を大きくハッキリと患者さんに話しかけるように心がけてます。
そうすると、自分自身の気分も少し晴れやかになりますね。

うん、医療ってコミュニケーションだ、、、

投稿者 mogi : 09:39 | コメント (0)