『新型コロナでムシ歯が増えた』

(この記事は2023年4月に書いたものです)
3年間のコロナ禍を経て、ムシ歯の患者さんが増えています。
もちろん地域性や患者層にもよると思いますが、少なくとも当院では明らかにそうです。
以前はムシ歯のリスクは高くなかったのに、この1〜2年で多発するようになったというケースが多いです。
治療しても治療しても次から次へと、、、のイタチごっこ。
そのような患者さんに問診をすると、ほとんどの場合で「生活習慣や食生活がコロナ禍によって変わっていた」ということが判明します。

一つ目は、テレワークが進んだことなどにより、3度の食事以外にも、ちょこまかと食品を口にすることが増えたというケース。
それがお菓子ならばもちろんですが、それ以外の食品でも「摂取頻度が上がる=ムシ歯発生のリスクが上がる」ということですからね。
間食はとらないけど3度の食事の食後のデザートとしてスイーツをガッツリ食べる人よりも、こまめにポテトチップスをつまんだり飴をなめたり豆乳やお酢を飲んだりする習慣のある人の方が、圧倒的にムシ歯になりやすいです。
そして、いまだに「甘くないものはムシ歯にならない!」と思っている人は多いですが、ポテチでも煎餅でも酢でもレモンでもムシ歯になりますからね。
もちろん砂糖はムシ歯を作る効率が最高に良い食材なんですけど、豆乳でも梅干しでも酢でも摂取頻度が高ければ十分すぎるほどにムシ歯の原因になります。

二つ目は、コロナ禍で「免疫力を高めなきゃ!」と、健康を意識するようになったけれど、実はそれが逆効果だったというケース。
これには様々なケースがあって、枚挙に暇がないのですが、代表的なものを列挙すると、、、


  1. 感染予防で喉をケアするため、習慣的にアメを舐めるようにしている。(のど飴、プロポリスキャンディー等)
  2. 喉が渇かぬように(脱水対策や熱中症対策を含む)、こまめな水分補給を心掛けている。(スポーツドリンク、エナジードリンク、ビタミンドリンク等)
  3. ビタミン摂取のため、柑橘系の果物や野菜ジュースを頻繁に摂るようになった 。
  4. 口が乾くので、こまめに梅干しを食べて唾液を出すようにしている。
  5. 健康のために黒酢等のお酢を飲むようにしている。

1〜5に共通しているのは、その食品自体がダメというよりも「こまめな摂取」、要するに摂取頻度の問題。
そして1〜4は糖の問題、2〜5は酸の問題を含みます。

三つ目は、歯ミガキ習慣の変化です。
1)TVや新聞・週刊誌で「食後すぐの歯磨きはNG」と言っていたので、、、というケース。
たしかに一部の酸性度の強い食品(代表的なのはコーラです)に関しては「すぐに磨かないほうが良い」のですが、多くの食品、要するに通常の食事では「食べたら磨く」が基本です。
詳しくは↓コチラをご覧ください。
https://www.241829.com/yaku33.html
TVで「食後30分は磨かないほうが良い」と言っていたのでそうしていたら、そのまま眠ってしまったとか、そのまま忘れて出かけてしまった、などという方が多いです。
食後すぐに磨かないと、口の中がなんとなくネバネバした状態(歯垢が停滞?成熟した状態=ムシ歯や歯周病が発生?進行しやすい状態)でも、それに慣れて気にならなくなってしまいますよ。

2)ネットで調べたら、「睡眠中の口の中では細菌が増殖している」ので「起きてすぐの歯磨きが大切」と書いてあったから、起床後の歯磨きに時間をかけ、それ以外では磨かないか、磨いても極めて簡単に済ませている、というケース。
中には朝起きた時にしか磨かないという人もいました。
たしかに睡眠中は唾液の分泌も減って細菌が増殖しているのですが、だったら就寝前に歯磨きをして、元々の細菌の数や、細菌の餌になる歯垢の量を減らしておきましょうよ。
「起きたら磨く」のも悪くないですが、やはり基本中の基本は「食べたら磨く」ことです。

良かれと思ってやっていたことが実は逆効果だった、、、こんな悔しいことはありませんよね。





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